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2013年3月12日火曜日

防空壕に入って亡くなった人なのかもしれないね


792 : 俺が中学生の頃に塾の先生から聞いた話[] : 投稿日:2003/05/08 05:01:00
先生は話をする前に
「話し終わったら、私の腕に注目!」
と意味不明なことを言った。
(話に出てくる『私』とは先生の事です)

私が中学生の頃に友達の田舎に泊まりに行った。
確か和歌山だったかな?(もしかしたら大阪かも?とりあえず近畿の南の方)
そこは遊ぶところに困らなくて、近くには海があり、山があり
とにかく自然で一杯だった。
約一週間泊まったんだけど、その時間が一瞬で過ぎたと錯覚するぐらい楽しかった。
いつもは夕方ぐらいには帰ってたけど、最後の一日は少しでも思い出を残そうと
夜まで海で遊んでいた。
遊んでた場所から宿泊してた家までは自転車で約20分ぐらいだから、
時間の事は余り気にしなかった。
しかし夜の11時を過ぎ、さすがにそろそろ帰ろうという事になった。
私たちはそれぞれの自転車に乗り、友達が前で私が後ろから
ついて行くという感じで自転車を漕ぎ出した。
自転車を漕ぎ出してすぐに、前を行っている友達が急に止まり私に
友達「何か言った?」、
私「何も言ってないけど?」
友達は首を傾けながらも
友達「なら、別にイイわ」
とりあえず再び前を向き、私たちは自転車を漕ぎ出した。



793 : 俺が中学生の頃に塾の先生から聞いた話[] : 投稿日:2003/05/08 05:01:00
しかし1分も経たないうちに、また友達は自転車を止め切り出した。
友達「お前、やっぱりなんか言ったやろ?!」
私「何も言ってないわ!そもそも何が聞こえてん?」
友達「何か早口で『〇〇(名前?) は何処』、と繰り返して言った後
放送終了後のテレビの『ザー』って感じの音が聞こえた」
私「『〇〇は何処』はともかく、『ザー』なんて声は出されへん」
友達「それも…そうやなw」
私たちは少し笑いながらも、さすがに二度も不思議な事が起きると怖くなり、
横に並んで自転車を漕ぐ事にした。
しばらく二人並んで自転車を漕いでいて、友達が「ふっ」と後ろを向いた。
私は何となく友達の顔を見てみたら、友達の顔が露骨なほどに
青くなっていく事に気付いた。



794 : 俺が中学生の頃に塾の先生から聞いた話[] : 投稿日:2003/05/08 05:02:00
私たちが使っていたその道は50m間隔でしか街灯がなく、
お世辞にも明るい道とは言えなかった。
明かりと言えば、街灯と月明かりぐらい。
その限られた光でも友達の顔が青くなるのが分かった。
友達は叫び声を上げながら自転車を速く漕いだ。
私は状況が分からなかったが、友達の異様な行動に恐怖を感じ、
訳も分からず自転車を速く漕いだ。
友達は私に振り向きざま
友達「もっと速く漕げ!速く!つかまれるぞっ!!」
叫んだ言葉の意味は分からない、ただ漠然と恐怖を感じた。
私は懸命に自転車を漕いだ。
私たちは5分ほど全速力で自転車を漕いだ。
友達が後ろを向き、速度を落とし始めて自転車を止めた。
私もつられて自転車を止めた。
友達の顔色はさっきの青い顔から戻っていた。
私は先ほど、聞く間もなかった事を聞いてみようと思った。
私「いったい何があってん?」
友達「お前がどんどん離れて行くと思って後ろを向いたら、
お前の1mぐらい後ろに白っぽい服を着たおばあさんが見えた。
俺と目が合った途端に白っぽい服がみるみる茶色くなって、
お前の頭をつかもうと手を振り回してた。
お前、後10cmぐらいで頭つかまれてたぞ」
私たちは泣きそうになりながらも、急いで帰ることにした。



795 : 俺が中学生の頃に塾の先生から聞いた話[] : 投稿日:2003/05/08 05:03:00
再び自転車を漕ぎだし2,3分ほど経った時、私は自分の自転車が
友達の自転車と徐々に離れている事に気付いた。
私はスピードを落としたつもりはない、友達がスピードを上げた訳でもない。
まして、実は友達の自転車に変則ギアがあるというオチがある訳でもない。
横に並んでいたはずの友達と徐々に離れていく。
負荷は感じないが、何か引っかかったのかと思い後ろを見たが何もない。
同じペースで自転車を漕いでいた、だけど少しずつ距離が離れていった。
少しずつ混乱していく、友達に何を伝えればいいの分からない。
「ガシッ!!」
何か金属音のような音が後ろから聞こえた。
後ろを向いた、しかしそこにはただ暗闇が広がるだけ。
よく考えると、正確には音は真後ろではなく、後ろの下の方から聞こえた。
直感的に恐怖を感じながらも下の方に目を向けた瞬間、それは居た。



796 : 俺が中学生の頃に塾の先生から聞いた話[] : 投稿日:2003/05/08 05:05:00
私たちが乗っていた自転車は、ママチャリと呼ばれる種類の自転車だ。
それはスタンドに手を掛けて引きずられていた。
さっき友達が見たものに間違いない、白っぽい服を着たおばあさんだった。
それと目が合った瞬間、着ている服が茶色く変化していく。
目線を外すことが出来ない、自転車を漕いでることすら忘れてしまった。
それはスタンドに掛けていた手を上にあげ、荷台の方に手を掛けた。
そして荷台に掛けた手を更に進めサドルをつかむ。
それがサドルに手を掛けた時、やっと私は叫び声とともに体が動いた。
サドルに掛けた手を振り払おうと左手を動かした瞬間、
それは私の腕をつかんでいた。
それの手を見た時、人差し指の爪だけが他の指の爪よりも
1cmほど長かった事に気付いた。
しかし、そんなものを見ている時ではない。
私はつかまれた手を振り払った。
私の左手に激痛が走り、その拍子に自転車から転げ落ちてしまった。
耳元で声がする。
「〇〇か!〇〇は何処?」
そして「ザー」という音が聞こえた。
いや、正確には「ザー」ではなく、もっと大きな音。
何かがたくさん落ちてくるような、爆発音にも近い音だった。
私はすぐに体勢を整え、全力で走って逃げた。
家までは150mほど、自転車を拾っている余裕はなかった。
その一部始終を見ていた友達も、叫びながら全力で自転車を漕いだ。



797 : 俺が中学生の頃に塾の先生から聞いた話[] : 投稿日:2003/05/08 05:05:00
二人が家に着いた時、二人とも服が泥だらけだった。
私はコケタが、友達の方に土が付くのはおかしかった。
泣きながら友達の祖父母にその一部始終を伝えると、
二人とも何か神妙な顔になっていた。
その地域は、戦時中に都会から疎開してきた人が多かったらしい。
田舎と言っても、いつ戦渦に巻き込まれるかは分からない。
万が一のために幾つか防空壕を作っていたらしい。
しかし、戦争が始まり早急に作った防空壕のため強度が全くなく、
よく落盤していたそうだ。
「もしかしたら、何かの拍子に防空壕に入って亡くなった人なのかもしれないね」
友達の祖母はそう言った。



798 : 俺が中学生の頃に塾の先生から聞いた話[] : 投稿日:2003/05/08 05:07:00
先生はこの話を塾に通っていた俺らに聞かせてくれた。
先生は話し終わると、自分の服の袖をめくり俺らに腕を見せた。
「腕を振り払った時に痛みが走ったと言ったけど、これがその時ついた傷」
そう言った先生の腕には、爪で引っかいたみたいな傷が一本走っていた。(10cmぐらい)
「あと私、この話をしたら絶対に鳥肌が立つんやわ」
話を聞いた俺らに鳥肌が立つのはわかるけど、
話をした本人に鳥肌が立つのはおかしくない?
でも、先生の腕には確かに鳥肌が立ってた。
ほんでさ、話をしてくれた日に塾を休んでいた奴が居たんだけど、
翌週そいつが「俺も聞きたい」って催促して、もう一度同じ話をしてもらってん。
やっぱり先生の腕には、鳥肌が立ってた。
二度も続くと、さすがに本物と思ってマジでびびったわ。



799 : 俺が中学生の頃に塾の先生から聞いた話[] : 投稿日:2003/05/08 05:08:00
あと先生が自転車からコケタ時に走ったと言ってたけど、
友達の方は自転車を全力で漕いでたのにも関わらず、
先生は友達を追い抜いて先に家に着いたらしい。
「あの時、タイム計ったら世界新でたね」
びびってた俺らに、けらけら笑いながらオチを付け加えてくれた。
少し心が安らいだよ。


以上、朝っぱらから長々とスマソ。

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