地域別心霊カテゴリー

2012年10月30日火曜日

赤い服の女


深夜の峠道を車で走っていると、行く手のバス停に誰か立っていた。

赤い服を着た女だった。一人きりで、荷物の類いは持っていない。

同色の大きなツバ広帽子を被っているので、顔は見えなかった。

こんな夜更けに奇妙だなと思ったが、それ以上は気に掛けず、横を通り過ぎた。

幾つかのカーブを下った後、次のバス停が見えてきた。

何気なく目を遣って、ギョッとする。

赤い服の女が、やはり一人で立っていたのだ。

見たところ、先程目にした人物と寸分違わないように思える。

どうにも気味が悪くて、出来るだけ目を向けないようにし、バス停を通過した。

それから峠を下りきる道中、全部で四ヶ所のバス停があったらしいが、
その何れにも赤い服の女が立っていた。

平野に出るとバス路線を外れて走り、ファミレスに入って時間を潰した。

あのまま真っ直ぐ家に帰ると、憑いてこられる気がしたからだそうだ。

明け方になり空が白み始めてから、ようやっと帰宅する気になれたという。


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